3年前に定年を迎えた平塚市在住のYさん。以前はサラリーマンをしていましたが、定年後は自宅から少し離れた600坪程の畑を耕しながら、奥さんと2人でのんびりと暮らしていました。Yさんは市内に数棟の賃貸マンションを所有しています。Yさんは4人家族で、うち2人の息子はそれぞれ東京と県内で家庭を持って暮らしています。
600坪程の畑を物納資産と考えていたYさん。畑で野菜を作るのは定年後の趣味としては悪くなく、適度に体を使うし収穫の楽しみもある。近所と野菜を交換しあうといった付き合いも生まれた。…などと思っていた。しかし、畑で生産した野菜を直売所で売って儲けても肥料代・農薬代・種苗代などでトントンでした。さらに年間70万円ほどかかる土地の固定資産税は他の賃貸収入を圧迫していました。
Yさんは相続税が発生することを知っていたので、いずれは息子たちにこの畑を物納してもらおうと考えていました。いっぽう、相続税以外の税金つまり固定資産税については希薄になっていたことに気づいたYさん。
固定資産税の支払いが重荷になってると思いつつ、でもどうしたら良いのか分からなかったYさんは、そのときたまたま不動産相続解決センターから配布された会報誌を目にし、鈴木さんに相談してみることにしたのでした。
Yさんの相談内容をヒヤリングした鈴木さんは、さっそく不動産相続解決センターのコンサルタント・税理士・弁護士・司法書士等による解決チーム内でディスカッションし、Yさんへのアドバイスプランをまとめました。
Yさんと鈴木さんの打ち合わせで、まず最初に鈴木さんに指摘されたのは、物納における相続税と固定資産税の考え方についてでした
「鈴木先生に最初に教えてもらったのは、固定資産税と相続税はぜんぜん違う性質のものなんだ、ということ。相続は一度だけ、いつか必ず来るもの。しかし固定資産税は、『いつ来るかわからない相続の日』が来るまで、ずーっと、毎年必ず支払うものだ、っていうこと。自分がいつまで生きるかわからないんだから、物納の日まで、総額でいくら払うことになるか。10年生きれば700万円、20年生きれば1,400万円。もしまかり間違って30年生きたら、2,100万円だよ。支払った額だけ土地の価値が目減りしているわけなんだ。・・・もちろん、こんなふうに偉そうに喋ってるけど、ぜんぶ鈴木先生に教えてもらったんだけどね」
自分の畑が、息子たちに相続する資産を食いつぶしている存在であることが分かったYさん。
「後先考えずにね、せっかくある土地だからと思って。子供たちのためにと思っていた考えが、実は自分の首を締めているってことでした。これでは親の責任を果たしてませんよね。そこで畑をどうにか活用するか処分するかして、固定資産税のタレ流しをストップさせなきゃ、と腹をくくりましたよ」
そこで鈴木さんは、土地を現金化して終わりではなく、その売却財産を管理しながらキャッシュ・フローを生むという「攻めの提案」をしました
土地運用をしてキャッシュ・フローを生むスタイルの代表格といえばアパート経営ですが、あいにくYさんの土地は高低差があるため造成工事が必要になり、建設費がかさむ土地環境でした。加えて鈴木さんによる周辺地域調査と家賃収入シミュレーションを行った結果、周囲の空室率が高めなエリアであるため、充分な入居率は見込みづらいことが明らかになりました。建設費の見込みと収入の見込みを精査した結果、アパート経営によりプラスのキャッシュフローを生むことは困難だという結論になりました。
「もちろん、そこで万策尽きた、というんだったら、普通のコンサルタントですよね。鈴木さんってすごいな、って思ったのは次の解決策でした。」
鈴木さんが提案した次の解決策とは…
「資産の組み換え、って言葉は聞いたことはあったけど、自分がそんな賢いことをするとはまったく想像がつかなかったよ(笑)。しかもね、すごいのがね、驚いたよほんとうに、何かっていったら、東京の高級マンションのオーナーになりましょう、っていうんだよ。東京って。自分がそんな都会のど真ん中の不動産のオーナーになるなんてね。この人は何を言ってるんだろう、って最初は思いましたよ」
Yさんは当初は半信半疑でしたが、鈴木さんが丁寧に物件のことを説明してくれました。都内の物件の相場について、おすすめのエリアについて、一般的な利回りについて、運用の仕方についてなど、一通りの説明を受け、最後にはYさんの気持ちは、鈴木さんへの信頼感と、具体的な物件の取得への興味に変わっていきました。
その後Yさんは鈴木さんと一緒に都内幾つかのエリアの物件を巡り、最終的に渋谷区恵比寿にある14階建ての1LDKマンション2部屋にターゲットを絞りました。
「まずは鈴木さんの事務所が東京にあることで、本当に助かりました。当たり前といえば当たり前なんだろうけど、都内の物件のことについて本当に詳しい。地方の人間には見当もつかないことだけど、鈴木さんにとっては地元のことだからね。そこで利回りのシミュレーションをして、6%の利回りが手堅いという結論になって、渋谷にあるマンションに決めたんですよ。まさか自分が渋谷のね…って最後まで思っていましたけど(笑)。」
「それとマンションを2部屋というのも、いきなり2部屋なんて、って最初は思っていましたが、鈴木さんの説明を聞いて、本当になるほどなぁ、って感心しましたよ。わたしには息子が2人居るから、マンションを相続するときも、1人に1つずつ、という設計にしておけば、相続する側の息子たちが困ることが無いだろう、っていう話だったんですよ。」
「マンションを相続したあとは、『あとは息子たちが決めればいい』つまり、そのまま賃貸を続けても良いし、そこに住んでも良いし、物件を売ってしまっても良い。最初は固定資産税対策のための相談だったんですが、将来の相続も含めて長期的な目線で最善の提案をしてくださって、ほんとうに見事だな、こんな良い解決策があったなんて、とね。妻には自分が思いついたことのように自慢げに話しちゃいましたけどね」
結局、Yさんは600坪の畑の土地を1億5千万円で売却し、東京都渋谷区にある5,000万円のマンションを2部屋購入しました。利回り6%、年間で600万円の収入が入るため、所有するマンションにかかる経費を払っても毎年500万円のプラスキャッシュフローが生まれました。
都内の物件選定から土地の売却、マンションの購入と賃貸の開始までにかかった期間は、しめて半年ほどでした。
「もう畑を耕す必要もなくなったからね、妻とのんびり暮らすようになってさ。老後を安心して迎えられる収入源も生まれたので、妻と旅行なんかに行くようになってね。こんどは豪華客船で世界一周しようなんて、妻はね、調子に乗ってますよ。相続の心配も全くなくなって、心と時間に余裕ができたというのが一番良かったことだな、って思ってます。元気なうちに相続の問題を整理しておけば、相続する側も、すごく気楽になれる。その分長生きしちゃうかもしれないよね(笑)」
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